秘書という名前の人身御供、パワハラ

秘書という名前の人身御供、パワハラ

入った会社はごく固いタイプの中堅企業といったところで、技術職のサポート業務ということのはずでありながら入社直前「変更になりました」。いきなり入社直前に社長秘書ということで勤めろと言われたのです。他を断ってしまっています。何より就職しないと先がない。とにもかくにも入ってなんとか頑張ろうとするしかなくなりました。

入る前からこのようなので続く内容はなかなかひどいものでした。まず就業者の中に名前がないのです。どこをひっくり返しても自分はいないことになっている。人事に問い合わせても「社長命令だから」でおしまいです。社員として幻にされながらなんと次は名刺を作ってもくれません。あいにく名刺がないと困る場所でもありました。名刺をくださいとおっしゃる他社の方には部屋に転がっていた大昔の他の人の名刺を引っ張り出して渡してその人の名字を名乗っておかざるを得ませんでした。

社長の気まぐれだけで時間を過ごさなくてはなりませんから何もかもが社長の虫の居所次第。就業時間中に何を思ったかわかりませんが「置き去り」をされたこともありました。社長に車に乗れと言われたので乗り、降りろと言われて降り、そのまま車は走り去ったのです。這う這うの体で社に戻ると何事もなかったかのようにただ社長は座っているのです。

実働内容はほぼ全くない。ごくごく簡単なスケジュール管理などしかやることもない。あとはただ座っていて時々気まぐれにストレス解消のためなのかとにかく社長に怒鳴られることだけが仕事といった状態でした。書き出したらきりがありませんが社長秘書という名前の人身御供のようなもんだなと思っていました。

誰のおかげで飯食ってられると思ってるんだと社長に怒鳴られながら、自分の名前だけはせめて名乗りたいと切実に思った日々の苦しさ。社員を守る労務も法律も存在しないようです。ブラック企業というよりブラック部署でした。社長自らのパワハラ。他の社員は同情をしてくれはしましたが誰にもどうにもできるわけがない。あの極限状態を今も忘れられません。

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